カガワ シュウタ
KAGAWA Shuuta
香川 秀太 所属 青山学院大学 社会情報学部 社会情報学科 職種 教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2012/06 |
形態種別 | 学術雑誌 |
査読 | 査読あり |
標題 | 看護学生の越境と葛藤に伴う教科書の「第三の意味」の発達:学内学習‐臨地実習間の緊張関係への状況論的アプローチ |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 教育心理学研究 |
巻・号・頁 | 167-185頁 |
概要 | 本研究は,従来の学内学習と現場実践との関係に関する議論を,状況論の立場から検討し,従来の徒弟制重視説や学内学習固有機能説に代わる,緊張関係説を示した。これに基づき,学内学習から臨地実習への看護学生の学習過程を調査した。学内学習を経て臨地実習を終えた学生に半構造化面接を行い,グラウンデッドセオリーアプローチによる分析を行った。その結果,看護学生は,学内学習では,教員の指導にかかわらず,架空の患者との相互行為を通して,ほぼ教科書通りの実践にとどまっていた。しかし,臨地実習で,本物の患者や看護師との,学内とは異なる相互行為を通して,教科書的知識を「現場の実践を批判的に見せるが柔軟に変更もすべき道具」と見なすように変化した。これを本研究では,学内‐臨地間の緊張関係から生まれる,第一の学内学習のみにも,第二の臨地での学習にも還元できない独特な知識,つまり「第三の意味(知)」ないし「越境知」として議論した。また,学内と臨地の各場面での相互行為過程を,「異なる時間的展望同士が交差・衝突し変化する過程(ZTP)」として考察した。最後に,結果に基づき,省察やリアリティ豊かな学習を促進する,「越境‐探求型の学習」を提案した。総19頁 |