カワミ マコト
KAWAMI Makoto
河見 誠 所属 青山学院大学 コミュニティ人間科学部 コミュニティ人間科学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2004/12 |
形態種別 | 大学・研究所等紀要 |
標題 | 「フェミニズムと自然法論の協力関係―オルタナティブな法と倫理の枠組みを求めて―」 |
執筆形態 | 単独 |
掲載誌名 | 『青山学院女子短期大学紀要』(青山学院女子短期大学) |
巻・号・頁 | 第58輯,41-63頁 |
概要 | フェミニズムは、近代主義的な自由と正義の理念に対して、強力に異議申し立てを唱えてきた運動・思想である。しかしそれは既存の制度や支配的考え方の権力性暴力性を鋭く暴露するけれども、それらに代わるオルタナティブな制度、考え方、規範を十分に提示するには至っておらず、その皮肉な帰結として女性の抑圧の放置も生じうる、と批判される。そこで本稿では、「フェミニスト批判」から「フェミニスト倫理」への転換とその際の「自然法の考慮」の必要を唱えるC・L・H・トレイナの指摘に従い、伝統的なトマス的自然法論における「賢慮の徳」と「人間善」による、フェミニスト認識論と人間論の補強を試みる。フェミニズムと自然法論の協力により、人間(女性)繁栄のためのオルタナティブな法と倫理の枠組みが構築できる可能性があるが、より大きな実りのためには新自然法論の検討も必要であることも指摘した。 |